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情勢報告

経済の情勢
2008年9月、これまでの原油高騰による物価の上昇から、アメリカ発世界的経済危機により物が売れない時代へ移行。
日本でも大企業を中心に赤字へ転落しました。
昨年末からマスコミで頻繁に報じられた「年越し派遣村」に代表される派遣社員の派遣打ち切り、今春の就職内定者の内定取り消しなど雇用問題は一気に悪化しました。
2009年7月度の完全失業率は5.7%の過去最悪を記録、特に男性が6%を上回った。
失業者は359万人となりました。

政治の情勢
2008年9月に発足した麻生内閣は「きたる時期に解散する」が大前提にあったにもかかわらず、経済危機を理由に引き伸ばされ、2009年7月解散となり、8月の総選挙で惨敗しました。
その間の景気対策は、公共事業等のばらまき政策が多く、定額給付金支給に代表されるよう対応の遅さと、政治家による失言、辞職が際立つ1年でした。
景気対策として打ち出された補正予算のつけは、今後どこに回されるか注目されます。

タクシー業界の情勢
3ウェイは2008年6月2日実施されました。
タクシー業務適正化特別措置法の改正により政令指定都市まで拡大し運転者登録制度が2008年6月14日実施されました。
宮城県単独でのディステネーションキャンペーン「美味し国伊達な旅」が行われるもタクシーの需要は伸びませんでした。
東北で2例目、仙台圏ではじめて、3月4日から8日、太白区の会社に業務停止命令5日間が出されました。
交通政策審議会の答申で必要と考えられる対策が示され規制強化の方向へ、特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法が6月に制定され、必要な措置を講ずるための協議会が設置されることになりました。
8月5日、タクシーの日に宮城県の一部のタクシーを除くほぼ全車が禁煙車となりました。 
仙台圏を除く宮城県全域で運賃の値上げがありました。
東京の国際自動車が超過勤務違反などで3年間の累積違反点数80点を超え、事業許可取り消し処分となりました。(PDF194KB)

2008秋闘の総括

掲げた要求内容
秋闘の要求は10月29日から30日に行われた第2回明番者集会で多くの要望・要求を集め、10月30日の執行委員会で内容を討議し、
①乗務員の定着性と労働条件の改善
②継続審議事項の早期解決
③年末年始の取扱
④業務に関わる補償
⑤会社設備の整備
⑥就業規則と協約の改善
を要求に盛り込み、労働条件の大幅改善を求めました。
要求書は10月30日、会社に提出(PDF119KB)しました。
会社からは11月7日「話し合いにより解決したい」と回答がありました。(PDF64KB)

具体的な闘争経過
宮城一般に加盟申請から承認までの期間と秋季闘争が重なり、企業内組合の位置づけで秋闘は行われました。
交渉対策として、顧問弁護士である増田隆男先生を予備交渉員に加え、話し合いの体制を強化しました。

第1回交渉  11月17日
組合は要求内容の主旨を説明しました。
特に継続審議事項の早期解決を求め、未制定であった定時制乗務員の就業規則の策定と本則や協約の見直し。
年末年始の問題をスピーディかつ中身のある内容で話し合うよう求めました。
会社は、年末年始の取扱は営業収入の大幅な落ち込みから、昨年同様。
定時制乗務員の就業規則は有給休暇付与の取り扱いを協議し、本則や協約の変更は話し合いで解決したいと回答しました。

第2回交渉  12月15日
年末年始問題は事前に事務折衝で協議、公出手当の不公平の是正と手当の引き上げ、割増期間の延長を求めました。
会社は、営業収入が昨年対比14%ダウンし、それに伴い最低賃金補償や人件費が増加したことを理由に「昨年同様の取扱」と回答しました。
年末年始の時短も昨年同様でしたが、時差出勤は別途対応の形になりました。
また、定時制乗務員の有給休暇について、新人研修時の補償日額で1月1日からの実施を目指したいと回答。
時代に合わない本則および協約についても「法律が変わっているものもあるので時代性に合わせていきたい」と回答しました。
秋闘は2回目の交渉で妥結しました。(PDF132KB)

闘いの評価
昨年対比10%を超える営業収入の減少の中厳しい情勢で闘われました。
継続審議事項は定時制乗務員の労働条件は解決の方向に向かい、その他の交番変更の問題、日勤・夜勤などはさらに継続審議となりました。
進捗の遅れは「組合から働きかけなければいつまでも解決しない傾向」がいまだにあり、今後の闘いの強化取り組みに一考を要する必要があります。